駿河湾フェリー、乗客増・運航率改善へ　経営戦略を改定


2024年3月7日　朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASS347KWRS34UTPB007.html



清水港（静岡市）と土肥港（静岡県伊豆市）を結ぶ駿河湾フェリーの運営法人は4日、今後3年間の経営改善策を発表した。コロナ禍で落ち込んだ利用客の回復が遅れている上、燃料費高騰で費用もかさんだため、2024年度から3年間で計2億6千万円を県と6市町から負担金として拠出してもらう。

県と6市町が設立した一般社団法人ふじさん駿河湾フェリー（静岡市）の発表によると、前回21年にまとめた経営計画では、コロナ禍が明けた23年度の輸送人員は、コロナ前（18年度）の6%増となる18万2千人まで回復すると見込んでいた。

しかし、バスによる団体客や外国人客の低迷が長引き、この想定を下回った。さらにフェリーの燃料費も2倍ほど上がった。民間の運航から県と6市町が運営を引き継いだ際の取り決めで、運航負担金として県と6市町から年1億200万円を得ているが、加えて3年間、追加負担してもらうことで合意したという。これにより、27年度までに輸送人員を現在より75%増の18万1千人に引き上げ、当期純損益を2600万円の黒字に改善させるとした。

利便性を高めるなどして利用客を増やす策も明らかにした。駿河湾フェリーは近隣のフェリーに比べ欠航率が高く、団体客から敬遠されがちだったため、伊豆側は田子漁港や松崎港で着岸するようにして運航率を改善させる。土肥港は防波堤がなく荒天時は着岸できず欠航の要因になっていた。また、清水港の発着場が来年4月にはJR清水駅前に移転する予定で、徒歩による乗客増を見込んでJR東海との連携を強化する。

3月下旬には、フェリーの内外装のリニューアルを終える。貸し切り室で飲食が楽しめるようにして、富裕層の外国人客の取り込みも目指すという。

運営法人の滝浪勇理事長は「前回計画と現状が乖離（かいり）していることから今回改定した。台湾や韓国などインバウンドを増やしたい」と話した。







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（参考画像）
清水港で撮影した駿河湾フェリー「富士」です。


「富士」
2005年熊本ドック建造。総トン数1,554t。全長83.00m。
















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